日本とオーストラリアの狭間で

昭和生まれ奇想天外な私のこれまでの歩み。社会脱落者としてこれからどうする?40歳目前独女の独り言。

私と現在の職場との関係

私はパートの時期も入れると今の職場で働いてもう10年以上になる。色々問題もあるし何度も辞める辞めないで揉めまくってきた過去はあるが、それなりに縁があるのだと思う。今の職場で働くきっかけは教会に通い始めた頃当時ITマネージャーをしていた人と知り合い、ITサポートのバイトとして履歴書を出してみないかと提案された事だった。当時はまだ留学生として勉強している頃で、留学生の中でIT系のバイトを得られているのは本当に一握りだったと記憶している。最初の時給は$20。その頃は未経験者のバイトとしてはかなり良い時給だったと思う。

 

 

バイトとしての採用だったので面接はそのITマネージャーと人事と三人だった。私はこの人事の人とも知り合いだった為、面接というより雑談といった雰囲気だった。面接後採用か不採用かの結果はなかなか来なかった。これは後で知ったが、私の採用について始め会社は乗り気ではなかったのだ。駄目ならほかのバイトを探したいので早く返事が欲しいと人伝いで聞いてもらった。するとその数日後に週に15時間という契約でバイトが決まった。私が返事を待っている間には会社のトップManaging Director(MD)、人事、ITマネージャーとの間で話し合いが続いていていたそうだ。採用の理由はかなり後になって聞いたが、おそらく普通には理解し難いものだと思う。

 


私が仕事を始めて数週間後、初対面であるMDが私のところに挨拶にやってきた。その頃はプログラマーではなくITの雑用の手伝いをしていたのだが、MDと会話をする中で当時社内で誰も出来なかったホームページの更新もして欲しいと言われた。それから数ヶ月後にはITサポートの仕事よりホームページや注文システムの改善などの仕事を主にするようになっていった。これが私がプログラマーとしてこの会社で働くことになったきっかけである。このMDは現在ITマネージャーも兼任しており、要するに私の上司だが、この頃はそんな事は全く想像出来なかった。当時のITマネージャーは後に自分が採用した人をMDに完全に取られたと言うような事を言っていた。確かにその通りで彼が怒るのも無理はない。

 


その後私は突然の帰国をする事になる。本来なら学校卒業後にプログラマーとして本採用が決まっていたので会社にそのオファーを受けられなくなったと伝えた。その時のMDとの話の中でオンラインで日本から仕事をしないかと提案された。私は色々な事情があり帰国前にあまり仕事の事を考える余裕がなかったので、とりあえず数ヶ月だけその時やっていたプロジェクトが終わるまでという約束で日本から在宅という形で働く事になった。結果的には数ヶ月ではなく4年間日本から在宅で働いた。その間会社(特にMD)は私を豪州に戻せるようにと労働ビザの取得を目指していた。最初の労働ビザは半年間のみで、その期間の中で実際に私が豪州にいたのは(会社の都合で)たった6週間だった。次の労働ビザはその2年後くらいに降りてその時は1年半だったと思う。

 


2度目の労働ビザで豪州に渡った頃から、当時のITマネージャーとMDとの仕事上でのトラブルが増えていった。個人的に二人は友人関係にあり信頼も高かったが仕事の事になると水と油のように方向性が全く違う。私は基本的にはMDの指示の下でプログラマーとして仕事をしたが、ITマネージャーとMDの異なる指示の中でいつも翻弄された。ITマネージャー仕事上でMDと私と相性が良い事を気にしていた。MDも元々はITで働いていたので自分がいなくてもMDと私でITを回せるようになると危機感を抱いていたのだ。そのせいかどんなにMDに指示されても私に積極的に仕事を教える事を拒み続けていた。残念ながらその数年後に彼の不安は的中する。会社は人員整理の時にプログラミングの出来ないITマネージャーを解雇して私を残す決断をした。その時にMDがITマネージャーを兼任する事になった。

 


今となってはそんな事もあったねという美談だが当時は周囲も含めて外人の私を職場に残した事に異論や反論が多く、MDも私もそして人事も色々責められた。ただ会社としては絶対にプログラマーが必要でITマネージャーには(実際コースにも出たそうだが)そのスキルと素質がなく、彼を残す事は出来ないという明確な理由があった為それ以上の問題になる事はなかった。ちなみに当時のITマネージャーは現在トレーナーとしてこの会社に再就職して活躍していて、MDとや私との関係も良好である。

 


私は豪州に戻ってからというもの常にビザの問題があった。さらに私は半年に一度日本に帰国しなくてはならず、その費用も全て会社が出している。でも私としては無能な自分の為に会社がお金を使う事が無駄のように思えて申し訳なく何度も辞めようと思った。その後財務マネージャーとの揉め事や色々な事があり私は何度か辞表を出すも話し合いの中で最終的には引っ込めるという事が続いた。私が長く在籍してしまった分バイトの頃のように私が辞めたらすぐ次の人を採用すればそれで良いという訳にもいかず、私も今辞め方が会社に迷惑になるかなという気持ちもある。私を採用してしまった事、そして長年残してしまった事が会社の負担になってしまっている事に対して罪悪感を持っている。

 


現在の仕事の内容は全て上司(MD)からの指示されている。上司はIT管理全般と約半分くらいのシステムを管理している。そして私の関わっているソフト開発の構想や基本的デザインなどを決めて私はそれに従ってプログラムを書いている。基本的には一日中プログラムを書くのだがほかのITの仕事もある。例えばサーバーの日常的な管理、メインテナンスも行い電話システムの簡単な管理もする。何かIT系の問題があればそれも対応するし、PCの初期設定やトラブル解決も行う。また自分が過去に書いたシステムのエラー処理、ほかの社内のプロジェクトでITが必要な場合話し合いに参加したりもする。もちろん全て上司の管理下なので私に最終責任はないし、上司も私が出来ない部分などはすべてカバーしてくれているが、日々のIT業務は基本的に私が行なっている。ITに新人が採用された時は当然仕事を教えなくてはならないし、時には他の社員と上司との間を繋ぐ役目をするなんて事もある。本当にやる事は多岐に渡る。

 


私と上司との人間関係は客観的に見て上手くいっている方だと思う。会社のトップのMDではあるが基本的には言いたい事は言えるし、仕事の問題を相談する事も出来る。最終的に私はどんなに自分の考えと違っても上司の決定に従うが、一応私の意見も一通り聞いてくれる。ITミーティングは週に一度一時間程度でその中で確認事項やスケジュールなども話し合う。後のコミュニケーションはメールがほとんどで、それでもさほど問題はない。またこれだけ長く同じ上司の下で働いていると大体上司の言いそうな事は分かるので、もしかしてこれをやったらこれも頼んでくるかな?と思うと大抵次のメールでその指示がある具合だ。

 


そんな感じで私とこの会社との関係は長く、言うなればお互い腐れ縁になっている部分もあるのだろう。私は後どのくらいこの会社にいるかわからないが、せめて最期の一日までは自分の責任をきちんと果たしていこうと思っている。