日本とオーストラリアの狭間で

昭和生まれ奇想天外な私のこれまでの歩み。社会脱落者としてこれからどうする?40歳目前独女の独り言。

IT職の求人

先日私の見て来た解雇について書いたが、実は今は求人で苦労している。私の働く会社は小さい町工場だが、IT関連はほぼ自社で管理していてちょうど人を探している。今募集が出ているのは私と同じポジションで将来はマネージャー候補になる人だ。私はまだ解雇されるわけではないが、ビザの問題やその他の諸事情で今後会社に残る人材かわからないので、出来れば早めに人を雇って引き継ぎをしておきたいところが本音である。しかしこの採用がかなり難航している。

 

実はこのポジションで求人は出るのは今回が初めてではない。現に過去に一人採用したが、一年ほどでプログラマーとしての仕事が出来ていないため他部署に回されてその後自己退職した。その後一度求人を出したが書類の段階でコレという人材が見つからず、誰も面接する事はなかった。今回は二度目。応募自体は数十件あったが実際に面接をした人は三人、その中で一人は辞退したが、残りの人たちは不採用に終わった。求める事はそう多くはないし、無能外国人労働者の私でも務まるポジションなのに何故適任者が現れないのか考えてみた。

 

IT業界で働く人で、成功したいと思う人はそもそも町工場の社内ITのポジションに興味はないだろう。それは仕事内容、将来性、給料面どれをとっても魅力に欠けるからだ。私は小さい会社にはそれなりの良さがあると思うが、プログラマーで雇われるのに、その他のIT関連の雑用もこなしてくれと言われたら優秀なプログラマーほど引くだろうと思う。しかも給料が安い割にはやる事の多い仕事なのでそれでも働きたいと思う人は少ない。さらに会社はある程度フレキシブルに働ける人を探していてそこもネックになっている。

 

採用の過程には私はあまり関わっていないが、最初の面接の時は呼ばれるので、送られて来た履歴書や人事課とのメールのやり取りなんかを見る事がある。私がそこで一番驚いたのがメールの文章だった。殆どの候補者のメールは自分の都合だけが一方的に書かれていて、言葉遣いも友達に話すようにカジュアル。日本人の私からするとその時点で常識がないと判断してしまうような感じで、礼節なんて微塵も感じられない。もちろん私は採用には関係ないし、ここは豪州なのだから文化も違うのだろうとやり過ごしたが、とてもカルチャーショックを覚えた。ただ一人だけ人事課がとても礼儀正しく謙虚な人だと言っていた人のメールは違った。同じような内容の事を伝えるにも、会社側の都合を気遣い誠意のある文書だった。もちろんこの候補者は良い印象を残したのは言うまでもない。

 

このITポジションの採用は長期戦になりそうだが、とにかく早期に適任者が現れてくれる事を願うばかりだ。日本からもIT関連の仕事で豪州に来ている人は多いし、その中でも求職中という人もいるはずである。その中のたった一人でも来てくれたら、ついそう思ってしまうのは妄想だろうか?