日本とオーストラリアの狭間で

昭和生まれ奇想天外な私のこれまでの歩み。社会脱落者としてこれからどうする?40歳目前独女の独り言。

豪州で働く 2 - 私のつまらない日常

豪州では朝は遅刻気味に、そして定時の時間になるとみんなさっと帰る、残業もなくプライベート優先して働いている。そんなイメージを持つ人も多いだろう。確かに全体的には日本より労働時間も少ないし有給の消化率も良いけど、毎日必ず定時で帰れるかというと意外とそうではない。今回は私の普段の日常について書いてみたい。

 

その前にまず明記しておきたい事がある。私は豪州に長い事滞在してるにも関わらず車の免許を持たない。これは車社会の豪州では致命的な事だが、豪州にどのくらい残るかわからなかったのでどうせ直ぐ日本に帰るからと取らないままで来ている。今のところ職場には辛うじてバス通勤が出来るので、あとは誰かに乗せてもらったりして何とかなっている。それから私はこんな歳のくせに今だにホームステイというか知り合いの老夫婦の家で居候のような生活を送っている。その為食事は基本的に作らず掃除や洗濯などは一週間まとめて行うので普段は家事をしない。そういう環境での私の日常である。

 

朝は車で送ってもらう日とそうでない日で起床時間が全く違う。送ってもらえる場合は通常朝は6時ごろ起床し、8時から仕事を開始する。バスでの通勤の場合は4時に起きて5時過ぎに家を出て6時前には職場に着いている。一応就業時間は8時から4時半となっているが、これは目安に過ぎない。会社では朝の10時半ごろと3時半ごろにお茶の休憩を取る。ただ休むといってもコーヒーを入れてちょっとお菓子をつまんでそのままオフィスに戻り仕事を続けている。お昼休憩もほとんど自分のオフィスで仕事をしながら食べる場合がほとんど。決まりでは1日の休憩時間の合計は1時間と15分だが、私は普段は平均で30分くらいしか取らない。もちろんその他にお手洗いにいったりちょっと息抜きをする事はあるけど、それを含めても休憩時間はそんなに長くはない。普段は5時半か6時過ぎくらいに退社する。この時も車で送ってもらう事もあればバスで帰る事もある。家に帰ると直ぐ夕食を食べ、ステイ先の夫妻と30分間だけニュースを見て、後はシャワーを浴びたりして自室で就寝まで過ごすというのが基本だ。外出は滅多にしない(というより車がないので外に出れない)。これを週5日繰り返すのが私の日常だ。

 

私の職場は郊外の小さな工場である。給与はサラリーと呼ばれる年俸制なので残業代は一切でない。標準労働時間は昼休憩を除いて一日7.75時間で、それ以下だと給料が減る事はないがマネージャーに呼び出される。私は常に1、2時間残業をしている感じになるが、それは仕事が終わらない自分の責任なので仕方がない。更に最近では仕事が全然追いついていないので家に帰ってからも多少仕事をする事が増えた。もちろん全て無給のボランティアになる。その他にも携帯でのメールのチェックは常に欠かせず、緊急時や上司に頼まれた場合はどこで何をしていようと仕事をせざる得ないこともある。これは休暇中であっても同じで、私から仕事が完全に離れる事は会社自体が休みの日曜と夏休み期間以外ない。もうこういう生活を6年くらい続けている。

 

同じ会社で働く人を見ていると、こういう働き方をしている人は少ない。ただ私の上司が長時間労働をする人なので自分も同じように働く事に疑問は持った事はない。どんなに働いても一定の給料で損だと思われるかもしれないが実は私の場合はそうでもない。まず会社の都合に合わせて融通を効かせて働いてくれる人に対してはギブアンドテイクといって多少早退しても有給を使わなくて良かったり時々私用で中抜けしても大目に見てくれたりする。この辺は上司の裁量が大きいかもしれない。更に私は会社が労働ビザのスポンサーをしてくれていたりその他色々特別な私側の事情に配慮してもらっているので、常識内の超過労働をしてもまだ会社に借りがあると思っている。よく労働ビザは奴隷ビザだと言われるが、私の場合は自らの善意なので当てはまらないと思う。

 

私がもし一人暮らしをしていたらもう少し会社に残って仕事をしたいと思う。でも現在のところ豪州の基準からすると既に長時間労働をしているのとステイ先の夫妻が私が夜間郊外の地域を歩いて通勤するのは心配だという事でどんなに遅くとも7時半までには家に帰っている。日本なら考えられない早い帰宅時間だ。会社から家まで寄り道をするような場所もマック以外はないので真っ直ぐ家に帰る。

ちなみに会社はキリスト教の流れを汲み日曜は完全に仕事が休みになる。私に上司も日曜は休息と家族の日と決めているらしく、この日だけは仕事のメールが来る事はほぼない。これは豪州の中でも珍しい例だと思う。とかく私も教会に通っているので、この会社の方針はあっている。

 

こうして書き出すと私の生活は平凡でとてもつまらないと自分でも思う。せっかく豪州に滞在して遊びに行くわけでもなく趣味もなくただ仕事に行って帰るだけの日々なのだ。でも豪州で労働ビザで働くとはそういう事である。