日本とオーストラリアの狭間で

昭和生まれ奇想天外な私のこれまでの歩み。社会脱落者としてこれからどうする?40歳目前独女の独り言。

豪州での生活 1 ー カードでの支払い

近年では日本でも日常の生活の中でクレジットカードやデビッドカードが急速に普及しつつあるけど、まだコンビニやスーパーなどの少額の買い物では現金が多く使われている。もっともネットでの買い物にはカード決済になるし、コンビニや駅の周辺の自販機などではSuicaなどのICカードで買い物が出来る場合がほとんどだ。それでも日本ではまだ現金での支払いが主流であり、年齢層が高いとカードは怖いと言うイメージがあったりする。その反対に豪州ではカードでの支払いやネットバンキングが日常生活の中でも浸透してキャッシュレス化が進んでいる。

 

 

豪州では数年前まではeftposという自分の銀行口座からその場で使った金額が決済されるデビッド式の支払いシステムが広く一般に利用されていた。これは銀行のキャッシュカードに自動的に付いている機能だった。もちろん現在でも一部のカードにはこのeftposが付いているが数は少なくなっている。このシステムの特徴として銀行のキャッシュカードなのにデビッド機能で買い物ができるほか、買い物時にお店で自分の口座から手数料もかからず簡単にお金を引き出す事が出来る。ただこのeftposには一日に使える限度額というのが設定されており、この金額を超える場合は使えない。銀行で手続きを取れば限度額を増やすことも出来るがこの制限を知らない人も多く高額の支払い時に初めて気付くというケースも多かったようだ。

 

近年ではこのeftposに代わりデビッドカードが普及している。デビッドカードの使用方法はほぼeftposと同じであるが、カードにはクレジットカード会社のロゴが付いていてカードの番号もクレジットカードと同じ形式になっているのでオンラインでの買い物にもクレジットカードと同様に使える。これも銀行のキャッシュカードに付いている機能だ。ただしクレジットカードとは違い即時決済なのでネットでの使用は勧められていない。それでもクレジットカードが持てない未成年や一時滞在の外国人などはデビッドカードをクレジットカードの代わりに使う場合もある。当然私も外国人の一時滞在者なのでネット上の支払いでは(日本のクレジットを使うと手数料その他非常に高く付くので)このデビッドカードを使う。もちろん安全策としてメインの銀行口座とは別にこのカードだけの為の口座を開いて残高は調整しており、やたらどのウェブサイトでも使う訳ではないのでリスクは低い。

 

eftposも後者のデビッドカードにもICチップが内蔵されている。かつてはカードの磁気部分を端末にスライドさせて読み込ませていたが現在では端末にカードをタッチするかチップの部分を差し込んで抜き取るという方式に変わっている。両者のカード共にpayWaveと言って一回に100豪州ドル以下の買い物なら暗証番号の入力なしで端末にカードをかざす(タッチする)だけで買い物が出来る機能が付いている。当然カードを盗まれたり紛失すれば誰でも使用できてしまうので危険ではある。手数料はないようなので数ドルの買い物でも現金ではなくこのpayWaveを使う人が多い。私も初めは頑なに現金主義だったが最近では財布に現金がほぼないなんて事があるくらいカードに頼っている。

 

豪州の銀行ではATMを今後数年かけて大幅に数を減らしていき、いずれは廃止の方向性も視野に入れているようだ。つまり現金の流通をなくし完全なるキャッシュレス社会にしようという意図である。当然それを実現するのには数多くの課題があり実際にどうなるかは未知数だが、傾向的にはその流れにある。もちろんカード自体もいずれはなくなり携帯端末のアプリなどでの支払いに移行されるのはほぼ間違いない。銀行は今ネットバンキングから携帯のアプリへの移行を推進している。日本と比べて大幅にキャッシュレス化が進んでいる訳だ。もちろん豪州でも徹底して現金主義の人もいるが、年齢層に関係なくeftposやデビッドカードは日常生活に浸透している。

 

最後に日本ではカードでの支払いだとお金が減っていく感覚が薄く使いすぎに繋がるという懸念を持つ人も多い。私もその一人であった。しかし実際に使っていくと別にカードだからいつもより沢山買い物をするとか、金銭感覚がなくなるということは私の場合ほぼなかった。もちろん子供にお金の仕組みを教えるには適さないが、カードだから必ず無駄遣いが増える訳ではなさそうだ。日本に帰国すれば私もほぼ現金で買い物をするしもしカードを使うとすれば最低でも数千円以上の時のみ。もちろん日本でも少しずつカードでの支払いが広がっているけど豪州に比べるとまだまだ現金社会である。私は個人的にはどちらでも良いし、日本が決して遅れているとも思わない。その国の文化や価値観を尊重しながら現金もカードも上手く取り入れていくのが一番良いのかなと考える。