日本とオーストラリアの狭間で

昭和生まれ奇想天外な私のこれまでの歩み。社会脱落者としてこれからどうする?40歳目前独女の独り言。

私と永住権申請の経緯と懸念点 3

続き

 

こう言った背景があり私は永住権に向けてがむしゃらに頑張るという事はない。永住権取得に向けて念入りな準備を重ねたり、中には自分の興味のない職種の職場でで奴隷のように扱われながら永住権まで我慢して漕ぎ着けるという人もいるだろう。私もかつて永住権にこだわっていたので理解はできるしそういう人を尊敬もする。決して間違ってはいないし人それぞれの道なので私が意見する事もない。ただ一方で懸念点も感じるのも事実である。婚姻などでパートナービザからの永住権の場合や仕事をしなくても生活できる資産や収入源のある場合は別として移民が豪州で自分の希望する仕事を得る事は簡単ではない事が多い。


例えば、永住権の為に調理の専門学校に行きあまり興味のないシェフになり就労ビザを経て永住権を取得したとしよう。決してシェフという職種を否定しているのではなく一般的に調理系が一番簡単に永住権に繋がると言われているので例に上げた。永住権が取得出来たら転職(オフィス系の仕事など)しようと計画する。就労ビザの英語の基準レベルは現時点でIELTS 5以上、永住権では6となっていてギリギリでクリア出来たと仮定する。数年後晴れて永住権が取れてのちにオフィス系の仕事を探すがまずこのレベルの英語力では英語環境の現地企業での就職は厳しく、そもそも豪州では豪州での職歴が重視されるので未経験の職種は難易度が高い。もちろん中には転職に成功する人もいるだろうが全員が希望の仕事に就けるわけではない。ちなみに飲食系の業種は平均年収は低めである。給料の良い職場を求めても豪州の平均から見ると、決して高くはないので給料だけで裕福で優雅な生活を送るのは難しいだろう。


もう一つの懸念は移民の法律がコロコロ変わるという事である。せっかく永住権の為に専門学校に通っても在学中にビザのルールが変わってその職種が就労ビザのリストから外れたり、現実的ではない条件が付く事もある。もちろん学校で学んだ内容が自分の興味のある分野であれば例え永住権が取れなくてもお金と時間の無駄にはならない。でももし永住権の為だけに通ったのならそれまでの苦労は何もならなくなってしまう。よくエージェントなどの広告でチャイルドケアや看護士なら将来永住権が取れますのような物を見かける。でも実際チャイルドケアではまず就労ビザを得る事すら厳しくなっていて諦めて帰国した話も沢山ある。看護士はもう少し専門性も高いがこちらは英語力なども含めて申請は簡単ではない様子。そういう現実を知らないまま永住権の為に渡豪してしまうとこんなはずではなかったという事態になりかねない。


豪州でも年々永住権取得は難しくなっている。移民の増加や失業率の高さなどから門が狭まっているのは確かだ。それでも永住権を視野に入れて渡豪する事は決して無駄ではない。ただその過程で自分で良く状況を見極めて納得した上で行動に移して欲しいと願う。